【公務員試験】目指した「きっかけ」を問われたら

今回は公務員を目指した「きっかけ」を問われたらというテーマでお届けしたいと思います。

というのは、公務員を目指したきっかけというのは、面接における頻出質問の1つだと私は考えていますけれども、結構多くの受験生が犯しがちなミスというのがあるんですね。

ですので、皆さん方お一人おひとり、面接に入ってからそういったミスを犯さないためにも、今日の内容を参考にしていただければと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

不自然

犯しがちなミスについては、様々なものが考えられようかと思います。ですけれども、最も多く見かけるなというものに関して申し上げますと、「不自然なきっかけを話してしまう」これが一番多いミスかなと私自身は考えています。

どういうことかを説明するために、そもそも「きっかけ」って何?この部分をご案内しておこうと思うんですけども。

色々な解釈があり得ると思うんですが、私自身は「公務員を目指したきっかけ」といったときに、それは「色々な就職先がある中で就職先の1つに公務員が入ってきた理由」だと思うんですよね。

公務員以外にも様々な就職先があるわけじゃないですか。でも、その就職先の色々な候補の中に公務員が入ってきました、と。この部分の理由。これを「きっかけ」っていう風に私は思うんですよね。それを踏まえて聞いてほしいんですけれども。

例えば、不合格になってしまった方が挙げたきっかけの実例としては、「市役所の審議会や委員会の傍聴を通じて公務員になりたいと考えるようになった」こういったものが1つ挙げられます。

これ、聞いていただいて皆さん方どうでしょうか?ちょっと「ん?」って感じるんじゃないんですかね。それってどうしてかというと、明らかにこれが嘘くさく聞こえるからですよね。

というのは、通常の住民を考えたときに、一部そういう人はいるかもしれないけれども、多くの人は市役所で開催されている審議会とか委員会とか議会とかって行かないじゃないですか。それを考えたときに、「そういった審議会に出て公務員を目指すようになった」ってどうもちょっと嘘くさいなって感じちゃうと思うんですよね。

すなわち、これが「不自然である」ということなんですよ。

これを踏まえて、先ほどの「きっかけの定義」の話に立ち返ってみたいと思うんですけども。先ほど私は、きっかけというのは様々ある就職先の選択肢の候補の中に公務員が入ってきた理由だよ、という話をしましたよね。

これを踏まえて考えてみたときに、さっきの「審議会に行った」とか「各種委員会の傍聴に行った」って、すでに公務員を目指してる人たちが取る行動としては自然かもしれないけれども、いきなり最初に持ってくるきっかけとしては不自然な感じがやっぱりしちゃいますよね。

ということで、こういう形で、そういうことって本当にあるかな?と。不自然なきっかけを話してしまうというのが、一番ありがちなミスじゃないかなと私自身は感じています。

合格者の実例

ここまでの話は、不合格者の実例、不自然なエピソード・きっかけという話だったわけですけれども。じゃあ合格者はどういうことを話してるんですか?と。合格者の実例についても触れてみたいと思うんですけれども。

まずは、私自身の例をご案内いたしましょう。一応、私も各種の公務員試験合格をしていますので、話しても問題はないんじゃないかと思います。

例えば、私はどんな話をしたのかというと、私自身は大学院で教育に関する研究をやってたんですよね。教育経済学とか教育心理学とか、そういった分野について研究をしてたんですけども。要するに「教育」ですよね。

教育って、少なくとも日本においては公教育が結構大きな割合を占めてるじゃないですか。そこで自分なりに研究を重ねていく中で、行政の役割の大きさみたいなものをすごく感じたんですよね。だから、面白そうだなって思っていました。これがきっかけですよ、みたいな話をしてたんですよね。

いかがでしょう?聞いていただいて。少なくとも、ものすごい不自然だなという感じはあんまりしないんじゃないかと思うんですよ。

今のは私の実例でしたけれども。それ以外にも、私が以前にTACという予備校に勤めていたときには、主に大学生に対して面接対策の指導等をしていました。そこでも、合格者の多くは、例えば「学内のセミナーとか説明会にたまたま参加する機会があってそこで興味を持った」という話をしている人もいました。これ、聞いていただいてどうでしょうか?すごい自然な感じがしますよね。

あるいは、学生の方であれば、「行政とかについて勉強するゼミとか公共政策について勉強するゼミに入ってて、そこでの勉強・研究が面白くて行政に興味を持ったのが1つのきっかけです」みたいな。これもいかがでしょう?すごい自然な感じがしますよね。

ここまでの話は、主に大学生の方を念頭に置いたものでしたけれども。社会人の方で比較的よく見かけるものとしては、例えば社会人の方だと、結婚している方とかお子さんがいる方って結構いらっしゃるじゃないですか。「自分自身が子育てをしていく中で、子どもが生まれて行政から色々な形で支援を受けることがすごい増えた」と。

で、「こういう仕事も行政ってやってるんだというのを初めて知って、そこから、こういうサービスって今までの自分の経験が活かせるかなと思ったので目指し始めたんです」という人も結構いらっしゃいますね。聞いていただいていかがでしょうか?これも確かにありそうだなという感じはしますよね。

少なくとも、各種の審議会に行ったのがきっかけですって話すよりは、まぁありそうだな確かにっていう感じがしますよね。

ということで、少なくともこういったものが1つの実例として、合格者の事例としてあるというのは把握しておいていただければと思います。

「自然さ」

ということで、不合格者の実例と合格者の実例、両方を聞いていただいたわけですけれども。なんとなく感じられましたかね。合格者の方が「自然だな」って感じませんでした?

これがポイントなんですよ。要するに、不合格者が話してしまうきっかけは「不自然さ」がすごく際立っている、と。それに対して合格者のそれは、「自然さ」「ありそうだな」というのを感じられるものになってるんですよね。これがすごく大きな違いなんじゃないかなと思います。

ここで重要になってくるのが、不合格になってしまう方々は、なぜそういう不自然なきっかけを話してしまうのか?これ、私思いますには、自分をよく見せようとしすぎているというのが大きな理由だと思うんですよ。

例えば、先ほど不合格者の事例でご案内した「審議会とか委員会とか議会に行って」という話って、要するに話してる側からすれば「自分は審議会とか議会にも行ってるようなモチベーションの高い受験生なんだぜ!」というのを示したくてやってるわけですよね。

その結果として、ちょっとそういうことは通常ないんじゃないかな?というきっかけを話してしまって、面接官から、

この味は!
ウソをついてる『味』だぜ……
ジョルノ・ジョバーナ!

引用:『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦,集英社)

そういう風に思われてしまっている、と。そういう状態だと思うんですよね。

ですから、きっかけに関しては、PRとか自分をよく見せようとかそういったマインドセットは捨ててしまって構いません。ここで明らかに重要になってくるのは、自然なエピソードかどうか、そういったことが通常あり得そうかどうか、こちらの方がより重要になるんじゃないかと思います。

ですので、繰り返しになりますけれども、きっかけの部分では無理に自分をアピールしようとせずに、自然なエピソード・ありそうだなっていうきっかけ、このあたりを話せるかどうかというところを意識してほしいと思います。

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筒井夢人

面接研究所を運営している筒井夢人と申します。プロ講師として、公務員試験の面接指導を長年行ってきました。なお、自身も公務員試験を受験しており、国家公務員(総合職・一般職)・県庁・特別区・横浜市・仙台市などに最終合格しています。

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